クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い †
#amazon(4061822330,right,image)- Author: 西尾維新
- Publisher: 講談社
- Category: Novel / Mystery / Juvenile
- Rating: ★★★
- Reviewer: Gilderoy - (2005-04-10)
- Character: 園山赤音、いーちゃん、玖渚友、姫菜真姫、伊吹かなみ、左代野弥生、千賀あかり、千賀ひかり、千賀てる子、哀川潤、班田玲、逆木深夜
お薦め対象 †
チョット背伸びしたい(小)中高生、ゲーム理論やどっかのアニメ・漫画のネタに喜びたい人、戯言遣い
Story †
一応、本格ミステリー風味なのかなぁ?戯言シリーズ第1巻!
Review †
いーちゃんが「起こってしまったことは仕方ない、今考えるのはこれが連続殺人に発展しないようにすることだ」って言ってるのってネジの1本や2本トんでると思うよ?
ぼくは極めて正常な判断だと思います。他にどうしろというのだろうか?鴉の濡れ羽では警察を呼んでも無駄ですし、いーちゃん達にとっても都合が悪いだけ。ただ、この小説にマトモな奴が出てこないというのは疑いようのない事実。だけど、常軌を逸っしているのは果たして彼らなのでしょうか?
≪あなたが殺されていい時がありますか?≫
本格ミステリーの必要条件である「殺人」。その異常さは常に看過されている。人の死をイベントと見なす――それをどうして正常と言いきれるのだろうか?クビキリサイクルでは死をパズルのピースとみなす「天才」達へ疑問が投げかけられる――。
「いつからここは人が殺されても平気な国になったの!?」
「名探偵?密室?首斬り?どこの言葉よそれ!」
本当なら疑われるべき狂気。それに疑問を投げかけ、尚且つ、別の狂気をもって克服する。それがクビキリサイクルであり、「脱本格ミステリー」の一種だと僕は思う。
一方、浅薄なキャラクター小説とも評されるようだ。確かに、「僕様ちゃん」なんてキャラクター付けのための1人称だ。だが、この中で示されているのは「ただ語尾を換える」といった安易なものではないはずだ。
では何か?
それは「生き様」だ。どの狂人も峻烈な生き様を魅せてくれる。その変人っぷりは我々凡人がすがり、共有するチンケな生命倫理をいとも容易く破壊する。
そういった点において、倫理形成が未熟な子供に読ませるには有害かもしれない、という危惧は極めて正常だ。しかし、それを憂慮するあまりに、この天才達の高潔な生き様とそれに畏怖を覚えながらも抱かずには得ない魔性の憧憬を看過してはならないはずだ。天才たちの共有する超倫理的倫理を正確に把握する事をサボり過ぎちゃ駄目だ。こいつらみたいなスゲェ生き物の辿り着いた空間が「良い意味での開き直り」なのか「悪い意味での開き直り」なのかを見定める必要がある。
死ぬべき時節には死ぬがよく候。
いつ死んでも構わないと言い放つ天才がどっちの人種なのか、しっかりと見極めて欲しい。それを怠れば、クビキリのトリック―道徳のスリ替え―に気付くことはできないだろう。本格未満の未熟児?内容のないキャラクター小説?そんなことを言っている凡人は所詮、西尾維新の手の上で踊っている道化に過ぎない……のかも。
まぁ、素直に踊らされているだけでも十分楽しいエンターテイメントでした*1ので、気楽に読めば良いと思いますよ。あまり小難しいことは気にしないでください。ほんの戯言です。
P.S. さすがに最後のスリカエはヒドイ……。赤音がお気にだった僕にはダブルパンチだたよ。(涙 肝心の戯言遣いの戯言が一番陳腐だったのが肩透かしだったけど、それゆえの戯言か……。もっとハードな戯言に興味がある人は永井均でもドウゾ。正直、ブギーポップとかエヴァとか戯言シリーズとかが売れる理由はよくわかるよ。ちょっと背伸びしたい子にはピッタリ。(キノの旅もそーいった系統だよなぁ。)
Comments †
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